2008年 09月 19日
A・レーモンドと東京女子大学 |
東京女子大学後援財団主催の「東京女子大学建築散歩」に参加しました。
東女大は、1918年リベラル・アーツを重視するミッション系の女子高等教育機関として、学長は「武士道」を著した新渡戸稲造、学監は安井てつ、そして常任理事がA・K・ライシャワーで設立され、西荻窪には角筈(現在の新宿)から、設立6年後に移転し現在に至っているそうです。
1921~24に掛けてA・レーモンドがRC造による全体計画を建学の理念を反映した(共同体としての学校)全寮制の個室と共同施設を充実した配置計画を作成。本館を中心に大木が茂る林の中に建物が建っています。①チャッペル・講堂②6号館(教室)③本館④ライシャワー館⑤外国人教師館⑥安井記念館⑦旧体育館⑧7号館(教室)の八棟を日大大川三雄先生の解説で見学しました。当日は、午前中は曇天でしたが、次第に太陽が顔を出し、フランスの建築家A・ペレー設計ル・ランシーの教会(1922-1923)、別名「コンクリートのサント・シャペル」似のチャペルのステンドグラスから差し込む光が、コンクリート打ち放しの空間をさらに心地よい場所に変身させてくれました。チャペルと講堂は一体の建物で塔の下にあるパイプオルガンをそれぞれの空間で楽しめるようになっています。講堂は無駄のないコストを考えた仕上げと、RCと鉄骨を組合せた大空間です。
A・レーモンドの建築思想は、1)五原則/単純性、経済性、直截性、率直性、自然性
2)固有の技術と材料、職人から学ぶ
3)構造とデザインのバランスの良さ、構造表現
4)現場主義とデイテールからの発想
“詳細図はその土地の気象や風土と直結する”
見学した建物で瓦葺屋根構造は、実測調査で和小屋と判明したそうで、大工から学んだ、「任せたのだろう」と説明がありました。さらに、張り出した軒は「日本の気象や風土と直結する」を素直に表現しています。レーモンドの初期の設計の様子が見られる作品群でした。
しかし、残念ながら多目的ホールとして設計された体育館は解体が決定されていました。この建物は、高さを押さえるために半地下にしてあり、観客席になる廊下との段差がいい空間の繋がりをしていました。
このキャンパスは、卒業生は勿論、学生にとっても原風景になるだろうし、この学校の歴史の証人としても心に残こると思いました。まさにこころの故郷になっているはずです。豊かさを感じました。
東女大は、1918年リベラル・アーツを重視するミッション系の女子高等教育機関として、学長は「武士道」を著した新渡戸稲造、学監は安井てつ、そして常任理事がA・K・ライシャワーで設立され、西荻窪には角筈(現在の新宿)から、設立6年後に移転し現在に至っているそうです。
1921~24に掛けてA・レーモンドがRC造による全体計画を建学の理念を反映した(共同体としての学校)全寮制の個室と共同施設を充実した配置計画を作成。本館を中心に大木が茂る林の中に建物が建っています。①チャッペル・講堂②6号館(教室)③本館④ライシャワー館⑤外国人教師館⑥安井記念館⑦旧体育館⑧7号館(教室)の八棟を日大大川三雄先生の解説で見学しました。当日は、午前中は曇天でしたが、次第に太陽が顔を出し、フランスの建築家A・ペレー設計ル・ランシーの教会(1922-1923)、別名「コンクリートのサント・シャペル」似のチャペルのステンドグラスから差し込む光が、コンクリート打ち放しの空間をさらに心地よい場所に変身させてくれました。チャペルと講堂は一体の建物で塔の下にあるパイプオルガンをそれぞれの空間で楽しめるようになっています。講堂は無駄のないコストを考えた仕上げと、RCと鉄骨を組合せた大空間です。
A・レーモンドの建築思想は、1)五原則/単純性、経済性、直截性、率直性、自然性
2)固有の技術と材料、職人から学ぶ
3)構造とデザインのバランスの良さ、構造表現
4)現場主義とデイテールからの発想
“詳細図はその土地の気象や風土と直結する”
見学した建物で瓦葺屋根構造は、実測調査で和小屋と判明したそうで、大工から学んだ、「任せたのだろう」と説明がありました。さらに、張り出した軒は「日本の気象や風土と直結する」を素直に表現しています。レーモンドの初期の設計の様子が見られる作品群でした。
しかし、残念ながら多目的ホールとして設計された体育館は解体が決定されていました。この建物は、高さを押さえるために半地下にしてあり、観客席になる廊下との段差がいい空間の繋がりをしていました。
このキャンパスは、卒業生は勿論、学生にとっても原風景になるだろうし、この学校の歴史の証人としても心に残こると思いました。まさにこころの故郷になっているはずです。豊かさを感じました。
by kakian-teishu
| 2008-09-19 11:40
| 日々の事